「私の老後は大丈夫なんだろうか・・・」
老後2000万円問題をきっかけに、老後に不安を覚えるようになった人は多いのでないかと思います。
そのような中で、我々の老後を支えてくれるのが「公的年金」。
公的年金については色々な話題が飛び交っており、また、仕組みも複雑故に不安に感じている人は多くいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回、世間で言われている年金に関する問題にフォーカスをし、年金の現状についてお伝えをしていきたいと思っております。
ぜひ今後の資産形成の参考にしていただけると幸いです。
では早速いきましょう!
年金財政は赤字?
ご存知のとおり、日本は巨額の赤字を抱える、世界最大規模の借金大国です。
例えると、年収約700万円の一般家庭が、700万円では生活費が足らず、生活のために毎年約370万円もの借金を重ねているような状態の国ということなのです。
となるとよく思われるのが、これだけ借金をしていたら年金もヤバイんじゃないの?ということ。
ですが、安心してください(笑)
実は、年金は全く別のお財布で管理されているのです。
年金のお財布だけで見ると、実は190兆円(令和元年度末)もの貯金を持っている状態なのです。
しかもその残高は年々増えていて、5年前に比べて、なんと約15兆円も増えているのです。
ちなみにその200兆円近くの貯金は、世界的に見ても極めて多い状態。
なので、日本という国は基本的なお財布は大きな赤字を抱えているものの、年金のお財布に限って言えば、大きな貯金を抱えている国ということなのです。
少子高齢化が進んで、年金制度自体が崩壊?
日本の年金は、賦課方式(↔︎積立方式)という仕組みで成り立っています。
賦課方式というのは、現役世代から年金需給世代への仕送りに近いイメージの仕組みです。
つまり、高齢者の方の年金を若者が支えている状態なので、少子高齢化で若者の人口が減っている今、将来的には年金が貰えなくなるんじゃないの?という話もよく耳にするのではないかと思います。
それに関連して、実際にこういったデータが流通していて、見たことがある方もいらっしゃるのではないかと思います。
《1人の高齢者を何人の若者で支えているか》
1970年 | 13.1人 (お神輿型) |
1990年 | 7.3人 (少人数お神輿型) |
2020年 | 2.6人 (騎馬戦型) |
2040年 | 1.8人 (肩車型) |
このデータ自体はもちろん事実です。
事実なんですが、、、事実じゃないところがあります。
こちらのデータは、65歳以上の人口と65歳未満の人口を単純に割ったデータです。
今や年金は65歳から受給するのが基本的な流れです。
しかしながら、全員が全員、必ず65歳から受給開始するという訳ではないので、上記のデータがなんとなく事実と異なることがお分かりいただけるのではないでしょうか。
したがって、正しい切り口でデータを出すとすると、「年金を貰っている人(=非就業者)」と「年金保険料を払っている人(=就業者)」との比較になり、この切り口で見ていくと全く異なる状況が見えてきます。
《就業者が非就業者を養っている割合》
1970年 | 1.05人 |
1990年 | 0.96人 |
2020年 | 0.89人 |
2040年 | 0.96人 |
いかがでしょうか。
正しい切り口で見ていくと、実は、少子高齢化は確実に進んでいるものの、年金の受け手と払い手の状況はあまり変化していないことが分かります。
むしろ、1970年と比較して、1就業者が支える非就業者数が減っているので、僅かながら状況は好転していると言えるのではないでしょうか。
では、なぜ少子高齢化が進んでいるのにこのような状況になっているのか。
答えは、”年金保険料を払う人が増えている”からです。
60歳以降も働き続ける人の増加や共働き世代の増加など、昔と比べて働く人の数、すなわち年金保険料を払う人が増え、年金を貰っている人と払っている人のバランスは変わっていないのです。
つまり、単純に少子高齢化だから年金が厳しいというのは少し安易な考え方かもしれません。
年金の運用も赤字続きでヤバイ?
「年金運用、3.7兆円赤字」
年金の運用状況については、時折ニュースや新聞などで見かけることがあるかと思います。
そして、その目に止まる多くの情報が、上記のようなネガティブな情報なのではないでしょうか。
その結果、日本の年金は赤字続きでヤバイというイメージになってしまってはいませんでしょうか?
しかしながら、実際は直近の20年間でなんと100兆円あまりの利益を挙げいるという、とても好調な運用状況なのです。
そして、そもそも運用に回しているのは年金積立金という、いわゆる余裕資金なのです。
更に、赤字が出たからといって、その赤字の時点で換金している訳ではなく、あくまでもその時点での評価額として話なのです。
なので、黒字になったとか、赤字になったとかに一喜一憂するのではなく、中長期的にみてどうかという、冷静な判断をしていただいた方が良いかと思います。
まとめ
ここまで、世間でよく言われている年金に対する誤解とその真実について触れてきましたが、どちらかと言うと、世間で言われているネガティブなイメージを否定するような内容をお伝えしてきました。
しかしながら、お伝えしてきた内容については、あくまでも現状の状態であり、現状の状態が将来に渡っても永久的に続きとは限りません。
そんな中で今回のお話を通じて強くお伝えしたいのが、年金不安を煽ってくるセールス等の話については、ぜひ冷静に判断して欲しいということです。
年金不安を煽ってくる話の全部が全部悪いということでは決してありません。
単に煽られてよく分からないまま何か商品を買ってしまった、というのは避けていただきたいということであり、理解・納得の上での決断であれば全く問題ありません。
ぜひ冷静な判断で、良い買い物をして、ハッピーな人生を送っていきましょう!
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